未来活動のブログ

終活を違う視点で眺めてみよう。

和代さんのこと④

和代さんは、お母さんの妹にあたる叔母さんに事情を説明することにしました。 


お祖母ちゃんに、いくらあるか分からない借金を背負わせるわけにはいかないので、相続放棄をさせようと思う。 今後のことはどうしたら良いか弁護士さんに相談するので、叔母ちゃんから『一度、弁護士の先生のところに一緒に行こう』って説得して欲しい。


叔母さんにそう言い、叔母さん夫妻とお祖母さん、和代さんの4人で弁護士事務所に行く事に。


配偶者の相続分を除き、今回のケースではお祖母さんが相続放棄をすると、次はお母さんのきょうだいたちに相続権が移ります。 よって、この叔母さんにも相続権が発生するため、


「私が借金背負うの!?」


と嫌がられたそうですが、きょうだいの相続分は全員で4分の1しかなく、お母さんのきょうだいは全部で5人いるから、金額的には和代さんやお祖母さんより遥かに少なく済み、また、お祖母さんからすると子ども達に相続権がいくことになるから、現時点では、お祖母さんを守るためには、その方法がベストと思われる、と弁護士さんから説明を聞いて、叔母さんも納得されたそうです。


(配偶者が行方不明のため)宙ぶらりんの状態ではありますが、お祖母さんが住むための家を守ることが出来て一安心。・・・に見えますが、和代さんは完全に家から出る事が出来なくなりました。


お付き合いをしていた男性はいたそうですが、いざ結婚を考えるとなると、相手の男性やその親に対して自分の家庭の事情が全てバレてしまうし、そもそもキチンと説明出来る自信がない。 仮に説明出来たとしても、「それでも良い」と言ってもらえるはずなんかない、と諦めてしまったのだそう。


それからずっと大黒柱の役目を負いながらきたという和代さん。


お祖母さんは認知症はなく、とてもしっかりした方だそうですが、しっかりしているが故に自分の価値観を通す方なのだそう。 孫である和代さんのことは頼りにしつつも、最終的な決定権は自分が握って離さない人だ、と和代さんは言います。


それから時は過ぎ、お母さんの七回忌の年に、お義父さんが亡くなったという知らせが届きました。 前回相続放棄のときにお世話になった弁護士さんの元を再び尋ねる和代さん。


家のことをこのタイミングで整理出来ないか期待したとのことで、お義父さんが亡くなった時点での相続人を教えてもらいに行ったそうです。 お母さんが亡くなって3年後、きょうだいのひとりが亡くなっていたため、その人の相続権がお祖母さんに移ることになり、お祖母さんも相続人となりました。


ただ、家をお祖母さん名義にするには、お義父さんの相続権が移った人たちから、持ち分を譲ってもらう必要がありました。

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