未来活動のブログ

終活を違う視点で眺めてみよう。

和代さんのこと①

まずは、和代さんに「人生で嫌だったこと」を吐き出してもらうことにしました。


最初の嫌だったことは10代のとき。 父親が多額の借金をしていたことが判明し、両親は離婚、進学を諦めないといけなくなったのだそう。 進学率の高い高校に通っていたため、クラスで数人は就職希望者がいたものの、途中からの進路変更はものすごく惨めな気分になってしまった、とか。


当時は景気が良かったため、また和代さんは進学するつもりで勉強していましたから成績もよく、就職先も地元の優良企業に決まりました。


偏差値の高い高校から、地元では誰でも名前を知ってる企業に就職が決まった娘のことを、お母さんはそれはそれは自慢に思っていました。 


和代さんも、そんなお母さんの期待に応えるべく、頑張って仕事を覚えていきました。 けれど、働いていると色々と起きるもので、職場での悩み事も出てくるようになり、お母さんにそのことを相談するのですが、どうしても話がかみ合いません。 


和代さんはただ聞いてほしいだけなのに、
「お母さんのときにはこうだったのよ! 辛抱しなさい」
と、話をさえぎられるのです。


そのうち、お母さんに再婚の話が持ち上がりました。 ひとりっこの和代さん、自分が結婚したらお母さんがひとりになってしまうことを心配して、お母さんの傍にいてくれる人が出来たと喜んでいたのですが・・・。


新しいお父さんはとても過干渉な人だったそうで、
「幸いに私を性的な目で見る人ではなかったのですが、仕事で残業していると『うちの娘はまだ仕事なんですか?』と職場に電話してくるし、趣味のサークルも『イイ年した大人がすることじゃない』と反対して、とにかく自分の価値観を押し付けてくる人でした」


それでも、お母さんが幸せならばと我慢していた和代さん。


そのうち、和代さんにも結婚を考える人が現れました。

×

非ログインユーザーとして返信する